ビームラインコンポーネント

2024年にHRCとPOLANOの2ビームラインの共通機器として新規3He無冷媒冷凍機を新規導入した。新規冷凍機は無冷媒で手間がかからないことにより、両ビームラインで磁性研究に必須である0.3 Kまでの低温測定が容易に行えるようになった。特にソフトウェア面を共通化したことで高解像度が強みのHRCと中性子偏極実験(コミッショニング中)が強みのPOLANOで同じような体験で測定からデータの可視化までが行える。

性能

  • 最低到達温度 ≦ 300 mK
  • 冷凍能力 100 μW @ 350 mK
  • 保持時間 100 h (無負荷)
  • 初期冷却時間 16h
  • 最大試料空間 Φ 200 mm × h 140 mm

3He無冷媒冷凍機 (仁木工芸製)

2024年、これまで事故防止のため人が傍で監視している状態でしか使用出来なかったバナジウム高温炉(室温〜950 ℃)に、安全対策を行うことにより、遠隔での実験がMLFに承認された。2024年、安全対策を講じたことで、これまで事故防止のため人が傍で監視する必要があったバナジウム高温炉(室温〜950 ℃)の遠隔実験が承認された。

安全対策

  • 遠隔監視システムの導入
  • 保守による機器の健全性の確保
  • ユーザーマニュアルの更新

2020年に導入されたトップローディング冷凍機は温度計とヒーターの位置が離れているため、試料温度の精密な調整が難しいという問題点があった。2022年に昇温試験を行い、ヒーター出力と試料温度の関係式を導出することで低温領域においては± 0.04 K以内という高精度の制御を実現した。