中性子実験に関わるデータ管理 |
中性子実験では40MSPSのADCを1万チャンネルほど使用し測定を行っています。34台のDAQサーバーで収集されるデータは年間100TBにものぼります。 中性子実験を支えるDAQシステムの整備と、ストレージシステムの整備を行っています。これらのシステムはベンダー任せではなく、自分たちでシステム構成の検討やハードウェアの選定を行い、RAIDの設定やOSのインストール、設計構築作業を行っています。
DAQシステムはKVMで仮想化したLinuxサーバーで構成されています。KVMホストにはRHEL、KVMゲストにはAlmaLinuxを使っています。KMVゲストにはDAQ-MWという、DAQのために開発された専用のミドルウェアを使用してデータ収集を行います。DAQ-MWは並列分散処理でデータ収集するミドルウェアです。他にも実験制御用やデータ解析用などのサーバーも同じくKVMで構築しています。測定データを保存するストレージ機能を含むDAQシステムを1台の物理サーバー上に構築しています。
中性子実験では年間100TB程度のデータが生成されており、積算では1PBを超える測定データがあります。このデータを安全に保存するためのストレージシステムを構築しています。データは3つのストレージシステムに別々に保存されれ、その内1つは遠隔地にバックアップしています。このように構成することで人為的なミスや地震や火災などに対してもデータを失うことなく、安全に測定データを保存できるようにしています。